おはぎとは、蒸したもち米を程よくつぶして握り、粒あんで包んだ「あんこのおはぎ」と、こし餡を中に包み、外側にきな粉をまぶした「きな粉のおはぎ」があります。その他にも、さまざまな種類があるようです。
春分の日・秋分の日は、「太陽が真東から昇り、真西に沈む日」で、昼と夜の長さがほぼ同じになるといわれています。
太陽の位置は天文学に基づくため、旧暦でも新暦でも、この日は変わりません。また、春分の日・秋分の日を「中日(ちゅうにち)」と呼び、その前後3日間を含めた合計7日間を「お彼岸」といいます。
仏教の考えでは、西の方角に極楽浄土があるとされ、この日の太陽が真西に沈むことから、お彼岸はご先祖様を想う日、浄土に最も近い日とされています。
こうして太陽の動きに着目してお彼岸を考えてみると、おはぎの「あんこ」と「きな粉」は、夜の太陽と昼の太陽を表しているようにも思えてきます。
昼と夜とが調和するお彼岸に、太陽の姿を模したものかもしれない和菓子をいただく風習は、とても尊いことのように感じます。