ぎっしり詰まった、もちもちの求肥を焼き皮で挟み、鮎に見立てた和菓子。
ひれやえら、顔の焼き印が生き生きとした姿を表し、口に運べば、ほどよい香ばしさが広がり、旬の味わいを楽しめます。「若鮎」は、初夏の風物詩ですね。
今となっては昔の話ですが、父の田舎は九州で、家族で帰省したときには天然の鮎をよくいただきました。
たしか、体を軽く押さえて尻尾を取り、頭から引っ張ると、きれいに骨が抜けて、あとはまるかじり。川釣り名人の味わいでした。
秋には「鮎やな」を組み、また別の季節の楽しみもありましたね。
ところで、鮎は魚へんに「占い」と書きますが、「売らない」とも読めます。でも、こんなにおいしい若鮎ですから、魚へんに「買う」——
「魚買」。で、いただきます。そして、ごちそうさまです。