桜水無月。 甘く煮た小豆と、ういろう生地をあわせて蒸し固めたものを氷に見立て、切り分けた和菓子です。
もっちりとした舌ざわりに、ほんのり桜色と桜葉の香り、そして小豆の風味が魅力です。
水無月は、初夏に貴重だった氷の姿を模し、季節の移ろいに涼を感じる和菓子として、毎年6月30日に多くの方が求めます。
それは「夏越の祓(なごしのはらえ)」という、半年の穢れを祓う風習とも結びつくものと言われています。
ふと、思いました。 水無月は、半分に切り分けられた三角形の和菓子です。
過ぎ去った時間と、これからの時間、
日常をふたつに分けて捉えれば、水無月。
ひとつに捉えれば皆月です。
そして、今という節目を感じ取るためには、
――365日。我が師とすべき和菓子でしょう!
だって――皆、好きですから。