就業規則や社内ルールを整備するとき、多くの現場では、まず「ひな型」や「モデル規程」を参照することになります。
それらは、法令違反を避けるため、また将来起こり得る最悪の事態に備えるため、どうしても例外や留保、想定外への備えが多く盛り込まれています。
一方で、小規模な事業所や顔の見える職場においては、そのまま適用すると、かえって現場の実感と乖離してしまうこともあります。
今回、ある事業所では、危機管理対応型のひな型を起点としつつ、実際の職場の状況や従業員との関係性を思い浮かべながら、一つひとつの規定について「本当に必要か」を検討していく作業を行いました。
・実際に起こり得るのか
・その判断は誰が引き受けるのか
・最終的な責任はどこに残るのか
そうした問いを重ねる中で、過剰な例外や、現場では使われない想定を少しずつ整理していきました。
結果として残ったのは、細かな規則の集合というよりも、「この職場では、誰がどこまで責任を引き受けるのか」という考え方そのものだったように思います。
就業規則や社内ルールは、厳しさや網羅性だけで評価されるものではありません。
現場の実態と乖離せず、いざというときに迷わず判断できること。そして、その判断を誰かに押し付けないこと。そのような視点での整備も、一つの現実的な選択肢ではないでしょうか。
